「厭世」

この世界からはなれて
あてもなくさまよい
死に絶え
名誉をなくし
愛されることもなく
一人悲しみ
逃げまどい
逆の道を行く

 

 

「月夜」 

世を嘆かば月夜好かるることなく彷徨人よ

 


僕たちはどこにいるんでしょう
ときどき、わからなくなる
悲しみの風が吹き、わびしさの木が鳴く
さめざめとした空気の中
ぼくらは歩く
どこへ?
きっと知らないところへ
わかるものじゃない
金の花は南向きへ咲く

                ―― 霧並 ――

                おセンチな気分になったときに作った詩……

 

雨が鳴る
しとしと、しとしと
木管が鳴るように
薄灰色の煙の空が おぼろにすべてを覆い
ぼくらは親しみの気持ちに満たされる
やがて雲は疲れ
そこから代わりに薄金色の曙光をくれるでしょう

                ―― 悲愛 ――

                4月12日の雨空を見て……

 

 
かなしみの花が咲く
ぼくはそれを摘む
息を吹きかけてみる
それはひらひらと揺れる
これだけなのに
ただ、これだけなのに
どうしてぼくは上手に生きられない
あるがままに物事は動いていくのに
なぜうまくいかない
ぼくもこの花のようになれたら
もの言わず、ただ空に向かって笑っていられるようになれたら
どんなに幸せだろう
ぼくはその花を胸に抱く
心地よい薫りが風に乗る
どうしてこれだけで人生は完結しないのだろう
どうしてぼくたちは、あまりにも多くのことを知り、あまりにも多くのことを持っているのだろう
悲しみの花は、ぼくらの悲しみによる涙によって、生をはぐくむ
そしてその顔をぼくらのほうに向けてくれる
大丈夫だよ、って
もの言わず笑ってくれる
ありがとう
                 ――悲しみの花――

                 ぼくはときおり、どうしても死にたくなるときがある……

 

 
死にに行くとき
自分の考えるもっとも苦痛のないやり方で死ねたら、
そしてそれでもっとも時期のいい日に死ぬことができたら、
それはどんなにいいことだろう
恋をして成就するよりも
世界を征服して人間の王になるよりも
泣いている子どもたちを永遠に泣かせなくすることよりも
偉大だ

                 ――死の定義――
           
                 でもぼくたちは生きなければなりません。生きるためには食べなければなりません。

 

inserted by FC2 system